誰でも手軽でおいしく口にできる『うどん』ですが、そのうどんに使用されている小麦粉の多くが輸入に頼っているといるのが現状です。日本独特の食文化であり、国民食であるといっても過言ではないそのうどんに使用されている小麦粉がなぜ国産の物ではないのか？と疑問に思った私は、国産の小麦粉を色々と調べていきました。そうしてうどん作りに適した小麦粉に出会う事となり、この小麦粉を使用する事によって国産小麦で打ったうどんを手軽にセルフでお出しできるようになったのです。

　こうして小麦に興味を持ちはじめた頃、地元岡山の西大寺地区で作られている『しらさぎ小麦』と出会い、それが私の『食』に対する考え方を大きく変える事となるのです。地元の小麦で地元でしか味わえない地うどんを作る、地元の農業を基軸にして食を考えていくという地産地消の試みです。
　早速このしらさぎ小麦を手に入れようとしたのですが当時の流通システムの関係で入手は困難、それでも諦めきれなかった私はならばこの手で作ってみようと自家栽培をする決心をしたのです。自家栽培なら農薬も使わず有機栽培も可能で本来のしらさぎ小麦のすばらしさに加え安全性も確保されます。しかし「言うは易し、行うは難し」です。無農薬栽培の困難、農業設備の調達、製粉先の確保、麺作りの技術の違いなど正に試行錯誤の連続でした。
　そうしたしらさぎ小麦との格闘の日々の結果、この小麦の特徴を存分に生かしたうどんを完成させる事についに成功したのです。

　このような小麦への様々な取り組みの結果一文字では今や国産小麦粉を使った『セルフうどん』と、岡山特産しらさぎ小麦を自家栽培、自家製粉して作った『一文字うどん』共に国産小麦にこだわったおいしいうどんを皆様にご提供させて頂いています。